体が喜ぶ『春の味覚』

体が喜ぶ『春の味覚』

冬から春への「切り替わり」の時期に
体を守るためのことわざがあります。

「春の皿には苦味を盛れ」
「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え」

古くから日本人は、体の声に耳を澄ませながら、
季節ごとの食の知恵を積み上げてきたのですね。

なぜ春に「苦味」なのかというと
東洋医学では、冬は体を内側に閉じ、
エネルギーを蓄える季節と考えます。

体は、寒さを乗り越えるために、
新陳代謝をゆるめ、脂肪や老廃物を体にためようと働きます。

そして春——。
陽気が高まり、体もいっせいに「動き出し」の準備を始めます。

冬の間に蓄えたものを外へ押し出し、
巡りを取り戻す季節です。

このとき、体の切り替えを助けてくれるのが「苦味」です。

薬膳では、苦味は体内に溜まった余分な熱や水分を外へ出し、
気分の高ぶりを落ち着かせる働きがあると考えます。

また、春と深く結びつく「肝の臓」は
気や血の流れを調整し、感情のバランスを保つ働きや
解毒を助けると考えます。

春先に感じやすい、イライラ・のぼせ・目の充血・気分の浮き沈み。
こういった不調に、苦味のある食材をとるのがおすすめです。

🔶菜の花
春を代表する苦味野菜。薬膳では苦味と辛味を合わせ持ち、排泄を促すと同時に気血の流れを整えるとされています。

🔶レタス
薬膳では涼性・苦甘味とされ、余分な熱を冷まし、イライラや興奮を静める働きがあります。
芯の部分に含まれる苦味成分には、気持ちをゆったりさせる効果も。
冷えやすい方は、スープに入れて温かくいただくのがおすすめです。

🔶ふきのとう
熊が冬眠から目覚めてまず口にするのが「ふきのとう」とも言われます。
眠っていた体を目覚めさせる、まさに春の先駆け。
独特の苦みとほのかな香りは、体の奥まで春を届けてくれるようです。

🔶たけのこ
春の山から届く力強い食材。余分な熱や水分を外に出す働きがあります。
食物繊維も豊富で、腸の掃除にもぴったり。

🔶セロリ
独特の香りが「気の巡り」を助けると言われています。
春に高ぶりやすい気持ちをアロマのようにやわらげてくれる、春にこそ食べたい野菜のひとつ。

などなど。

元気がない方、冷えやすい方、胃腸が弱っている方は
苦みをとり過ぎると、逆効果になる場合があります。
春の『ほろ苦さ』をプラスするくらいの意識で
美味しくいただいてくださいね。